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ホームページをWordPress(ワードプレス)で制作される企業やショップも多く人気となっている昨今。そもそも、なぜワードプレスにしたいのでしょうか? HTMLの静的サイトではダメなのでしょうか?それぞれにメリット・デメリットがあります。もしかしたらワードプレスよりHTMLサイトの方があなたのホームページには向いているかもしれません。ここではHTML or WordPressの特徴から運用目的に合わせた選び方まで長年、ホームページ制作から実践的な運用まで行ってきた経験を基に紹介します。
1)HTMLとWordPress(ワードプレス)の違い
簡単に言えば、HTMLは静的サイトでWordPressは動的サイトです。HTMLで構築したページを直接表示させる。。。もう少し分かりやすく説明しますと、紙媒体で例えるならHTMLは各ページが一枚一枚、紙に刷られたものを単に呼び出して表示させている…といったところでしょうか。これに対し、WordPressでは表示させるためのベースとなる雛形をあらかじめ準備させ、表示させる内容はデータベース化し、その都度、表示させたいページの情報だけを引っ張りだし、雛形を元に展開表示しています。では、それぞれにどんな特徴やメリット、デメリットがあるか詳しく説明します。
HTMLの特徴
HTMLサイトは、基本的にHTMLとCSSで表示される仕組みとなっております。紙媒体で例えたように1枚、1枚がそれぞれ表示させたい内容をデザイン・構築したものを表示させているため、ファイルを呼び込むだけで表示されるというシンプルなものなので、動的サイトに比べ表示スピードが速い。このことによりサーバー負荷も軽くすむので低価格対のサーバーでも運用が難なく可能。
HTMLの改ざん等のリスクはあるものの、動的サイトに比べセキュリティ面では安全性は高い。また、制作の流れ上、自分のPCで制作したHTML/CSSをサイトにアップロードし運用するため、常にファイルはサーバーだけでなく自分のPCにも最新のものが管理されているわけで、万が一改ざん等があっても、再びファイルをアップロードすることができリスクが低い。これはサーバー乗り換えによる移転が簡単なことや定期バックアップが不要など、管理面の負担が軽くメリットの一つです。デザイン面でも1ページ1ページが個別に編集できるので、様々なデザインのページを自在に展開することも容易にできる。ワードプレスで詳しく説明しますが、更新作業を除けばほとんど放置状態でも問題ないほど管理の手間が掛からず楽です。
良いことだらけですが、もちろんデメリットもあります。中でも日々の更新作業は少々面倒です。記事などのページを追加するたびに新しいページを作成し記事を書きファイルをアップロードしなければなりません。他のページとリンクさせるための設定など少々面倒な作業が負担となります。各ページに共通する内容に変更があれば全てのページを修正する必要もあります(ホームページビルダーや一括編集ソフトなどで対応も可能ですが…)。この件はデータベース化されている動的サイトが圧倒的に作業が楽で有利です。ワードプレスはテーマが豊富で洋服を着せ替えるようにデザインを変更できることでも人気ですが、HTMLサイトでもPCやスマホなどに対応するレスポンシブ化されたテンプレートが沢山あります。
メリット
- 表示速度がはやい(訪問者の離脱率を下げる。SEO的にもプラス)
- サーバー負荷が軽くPHPも不要なので低価格帯サーバーでの運用が可能。
- セキュリティは高くリスクが低い
- 定期バックアップやサーバー移転などファイル管理が楽。
- デザインの自由度が高い
デメリット
- 更新作業の効率性が悪い
WordPress(ワードプレス)の特徴
企業などのホームページや通販サイト、ブログなど様々な分野で利用されているWordPressですが、もともとブログの運用を目的として開発されたものですので、沢山の記事を更新し掲載する機能に優れたシステムです。記事をデータベース化し表示させることによりHTMLのような面倒な作業が大幅に減り、更新記事の内容だけに時間を集中することができるようになりました。この作業性の高さがHTMLとの大きな違いであり、無料で使える高機能なワードプレスが人気となっている理由と言えます。デザインテーマが豊富。ワードプレスにはテーマというものがあり、サイトのデザインを洋服のように簡単に着せ替えすることが可能。
プラグインというユーザーのニーズに対応した様々な便利機能をお好みで簡単の追加できる。テーマ、プラグインも基本的に専門知識がなくても設置が誰でも簡単にできる。ただし、一定レベルのカスタマイズとなればPHP(プログラミング言語)の知識が必要な上、HTML/CSSだけで構築されたシンプルな静的サイトよりも複雑でカスタマイズが難しい。また構造上、ページ毎にデザインを変えたい場合や、細かな面でデザインの自由度が低い。他にもデメリットがありますが、中でも特に注意したいのがセキュリティと運用管理です。一般的にウェブに関して知識な乏しい方は、管理が課題となってきます。ワードプレスではPHPが使われており脆弱性という側面からセキュリティの問題が付きまとうわけです。世界的にもワードプレスは人気のCMSですので標的にもされやすいという現実もあります。
WordPressはもちろん各種テーマ、プラグインは機能面やセキュリティ面も含めVerアップを繰り返しています。このため、常にアップデートし最新状態を保ちリスクを最小限に抑える必要があります。万が一のためにも定期バックアップも不可欠です。レンタルサーバーのphpもバージョンアップされるのでそれに対応する必要があります。これらの対応をしていると時折、アップデートが原因で不具合が起こることも稀にあり、専門知識がないと対応できない…なんてことも。運用に不安がある場合、定期的な管理を業者にお願いしなければならないなんてことも考えられ、運用コストもかかってきます。
実際に知人から聞いた話で、WordPressで制作したショップがある日突然、ウィルスか何らかの影響で使えなくなり、そのサイトは運用不可能になってしまったとのこと。詳しいいことは聞けませんでしたが…。バックアップもとっていなかったのだろうか?いずれにしても収入源となていたサイトがなくなってしまうというのはダメージが大きすぎます。他にも前述で説明のように動的サイトなのでHTMLに比べ、その都度データベースからデータを呼び設定されたデザインに合わせ展開し表示させているため、表示速度が遅くなってしまいます。表示速度が遅くなればなるほど訪問者の離脱率が上がってしまいます。動的サイトはサーバーにも負荷が掛かるので、ある程度パフォーマンスの良いレンタルサーバーとの契約も必要となり、ランニングコストも上がってしまいます。
メリット
- 更新作業が簡単で早い
- テーマやプラグイン機能でカスタマイズが簡単で便利
デメリット
- 表示速度が遅い(訪問者の離脱率が上がる。SEO的にもマイナス)
- サーバー負荷が高くなるのでサーバー性能を要求される(ランニングコストが上がる)
- アップデート作業など定期的な管理作業が必要
- 脆弱性や標的になりやすい側面がありセキュリティ面で不安あり
- 定期バックアップやサーバー移転などの際の作業が大変で難易度が高い
- デザインの自由度が低い
2)長所を活かした運用方法
このようにHTMLの静的サイトもWordPressの動的サイトにもそれぞれ一長一短あり、どちらが良いという単純な物差しではなく、用途に応じ上手に使い分けることでよりサイト運営が快適になると考えます。どんな人に向いているか?どんな用途に最適か?など、それぞれの特徴を活かした選び方をご紹介します。
HTMLサイトに向いている人&業種
HTMLは企業サイトや美容室などのサロン、飲食、店舗サイトなど、存在を知ってもらうため、価値を高める役割として活用したい。誰でも簡単にネットサーフィンができる時代です。友人知人やSNS、TVなどから得た店舗やサロン情報、求人など、興味が沸いた場合に、あなたならどうしますか?恐らく多くの方はインターネットを利用し情報を得ようとするのではないでしょうか? ホームページがあればきっと見るはずです。ウェブ上の名刺的な役割として考えるのであればHTMLのホームページは最適です。十分な情報&魅力的なデザインのホームページを公開していれば、興味を持ってくれ足を運んでくれたり、問い合わせをしてくれる可能性がアップします。しかしながらホームページを制作してもらった後の運用・管理、コスト面での不安やお悩みをお持ちの方もいます。HTMLで作成したサイトの場合、WordPress(動的サイト)で必要不可欠なアップデートやバックアップがほとんど必要ありません。極端に言えば放置していても問題ないほどです。セキュリティ面でも動的サイトよりも放置状態にも関わらずリスクが低い。万が一の場合も大本のファイルさえ持っていればいつでも復旧が簡単にできます。集客、広報はTwitterやインスタグラム、フェイスブックなどSNSで良いという方にも、HTMLで作成されたホームページはピッタリです。ランニングコストを抑えながらも効果的に役割を果たしてくれることでしょう。
WordPress(ワードプレス)サイトに向いている人&業種
ワードプレスの一番の特徴であり強みとなるのが、更新作業が簡単で機能的ということです。ブロガーなどのようにコンスタントに記事を書いたり、日々の更新作業を頻繁に行う方やそのようなホームページを運用したい方に向いています。HTMLサイトでは記事以外の面倒な作業が負担となり、効率的とは言えません。ページ数が増えれば増えるほど、様々な点でワードプレスのメリットが大きくなりますので、そのような方はWordPressで運用すべきです。通販サイトも基本的に沢山の商品を扱うケースがほとんどなので、Woradpressでの運用をお勧めします。なお、商品点数が少なく、記事などの更新もあまり考えていない(集客・広報はSNSなどの他の媒体)場合は、ケースバイケースですがHTMLサイトを検討してみるのも良いかもしれません。このようにサイトの更新を勢力的に行って運用される方は、基本的にgoogleなど検索上位表示を狙いホームページからの集客に力を入れたいと考えている方がほとんどだと考えます。前述のようにセキュリティや管理の面ではHTMLサイトに比べるとハードルも高く大変にはなりますが、ホームページに触れる機会も多く積極的な運用や投資をされる方だと思いますので自然と対応力もついてが管理もできるようになるのではないかと考えます。
もう一つの選択肢
ここまではディテールは違えど、他でもあるような内容かと思いますが、もう一つの提案があります。それは「HTMLとWordPressの両方を運用」する。それならワードプレス一つで運用しても同じなのでは?と考えてしまいがちですが、そんな単純ではありません。
例1:
基本的にホームページはブランディングや名刺がわりとして考えているケースで、会社を立ち上げたり、サロンなどの店舗を開業しホームページを作りたいが、「ブログ運用も行いたい…メインのホームページのサブ的なページとして少し距離感を保つイメージで運用したい。」「先々のことも考えホームページはブログに依存させたくない。」「メインのホームページにはデザインに自由度を残しておきたい。」このようにホームページとブログの距離を少しだけ離し運用したいという場合にこの方法はお勧めです。なお、一つの独自ドメインで運用可能です。だたしメインのホームページと完全に切り離して別の事業としてビジネスを立ち上げるのであれば、ドメインは変えて別サイトとして運用した方が良いです。
このような運用方法には表面化しないメリットがあります。
ホームページのデザインはそのままで、ブログだけはテーマを気分や先々の方向性によって変更しながら運用できる。その逆も可能。今ではデザインされた素敵なHTMLテンプレートやワードプレスのテーマが手に入り、自分でも容易にホームページ作成が可能となっています。このようなホームページ&ブログ機能が備わったワードプレスのテーマを選ぶ際に良くある悩みで、「ブログ関連のデザインはAのデザインが好みだが、それ以外のトップページなどデザインはBがいい」というように、なかなか思うようなデザインが無かったりしますが、それぞれ単体で選べるので選択肢の幅が広がります。
またこのようなホームページとブログの両方の機能を持つホームページはシンプルなブログ機能だけのテーマと比べても、それぞれ作り手によってクセもあるために、先々、テーマを変えたい場合にも簡単にデザイン変更ができないなど苦労することも少なくありません。サーバー移転やバックアップなどでも色々とポイントを抑えておかないと先々苦労する可能性があります。体験して初めて大変さが身に染みることでしょう。その点、シンプルにブログ機能だけを備えたタイプであれば、テーマ毎に多少の違いはあっても、テーマの着せ替えやサーバー移転、バックアップなど様々な点で容易に作業ができ難易度が下がることは間違いありません。
いずれにしても、ホームページでどのような運用を目的としているかが重要です。筆者の場合で説明すると当初は別サイトで運営しているECサイトが業務のメインでしたが、ワードプレスで制作した会社のホームページは会社の情報を公開する目的のいわゆる名刺的な役割のサイト。ブログ機能はありますが、ほとんど記事を書くことはありません。ビジネスとしてはECサイトを運営しており、会社のホームページと直接リンクさせる必要ありませんので結局、ブログ機能そのものがなんの役にも立っていない状態です。その後、ホームページ制作などの業務も行うようになり、HP制作会社として会社のホームページをリニューアル(HTMLで制作)。同じドメイン内にブログを別途ワードプレスで導入。ホームページ直下にあるブログを活用できるのに、わざわざ別途ドメインを取得し別サイトとしてWEBに関するブログ運用。なぜでしょう?会社のホームページと現在、別途運用しているWEBなど関連するブログの運用は、特性が違うというか、違う目線で捉えているため。最終的な着地点(目的は)同じであっても、別で運用する方が効果的であったり、柔軟性や自由度という観点から運用しやすかったりするものなんです。
業種やビジネス展開にもよりますが、明確なブログ機能の活用が定まっていなかったり、必要性が感じられない、ビジネス展開が見えていない場合のホームページであればHTMLで立ち上げるのも一つの考えです。
3)最後に
周囲の影響でなんとなく「ホームページ = WordPress」と考えていた方、一時期、HTMLは古くて時代遅れな印象もありましたがHTML5/CSS3になって以降、HTMLはPCやスマホなどに対応のレスポンシブ化はもちろん高機能化へと進化していますので、これからも活用価値のあるものだお考えております。用途に応じてWordPressと上手に使い分けることできれば、運用面でも。より使いやすく便利になることでしょう。目的や戦略、中長期的な運用なども含め、改めて検討してみてはいかがでしょうか?